円安、株高、金利高からの今後の投資の見通し

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足元で進む円安、世界的な株高、金融緩和の出口戦略からの金利高とここ数か月間の投資環境は徐々に変化してきています。今後の株や為替の見通しを予測します。

日本が支える世界の株価

日本銀行の金融政策

激しい金融緩和を続ける日本銀行。2013年4月に始まり、現在に至るまでその勢いを落とさずに強力な緩和を進めています。

日銀の緩和内容

日銀は強力な金融緩和を粘り強く続けていくことを表明しています。

金利の操作

短期金利

日本銀行当座預金のうち政策金利残高に0.1%のマイナス金利を適用する。

長期金利

10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。買入れ額については、保有残高の増加額年間約80兆円をめどとしつつ、弾力的な買入れを実施する。

これらの金利操作は国債の金利を低く抑えるとともに、銀行の収益を悪化させる要因になっています。銀行は業界内の過当競争に加え、政策的な低金利政策により収益性に悪影響を受けています。
また、債券の金利の上下により株式相場や為替相場は大きな影響を受けます。国債の金利が10%あったら、わざわざ金利5%の外貨預金をしますか?リスクのある株を買いますか?投資は投資先から得られる収益(これを期待収益率といいます)を比較して価格が決まります。そのような理由から金利上昇は一般的には株式相場にとって逆風となるのです。
現状0.1%程度までである金利の上昇を0.2%程度まで容認するとの黒田日銀総裁の発言もあったものの効果は無く、実際は出口の見通せない強力な金融緩和を続けています。
年間80兆円という激しいペースで日銀が国債を買い入れているため、市場に国債が枯渇し、国債市場が麻痺しているという声も上がっています。

ETF、J-REIT等の買入れ

CP等、社債等

CP等は約2.2兆円社債等は約3.2兆円の残高を維持する。

※CP=コマーシャルペーパー。企業が短期資金調達の目的で、公開市場で割引形式で発行する無担保の約束手形のこと。

ETFおよびJ-REIT

ETFは年間約6兆円J-REITは年間約900億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。

日銀の資産買入れ状況
日本銀行「指数連動型上場投資信託受益権(ETF)および不動産投資法人投資口(J-REIT)の買入結果

日銀が何も言わずに年間6兆円も株を買ってくれます。2018年8月末の東証一部上場株式の時価総額は644兆9114億円です。およそ毎年1%の株を日銀が買っています。ちなみにREITは時価総額12.61兆円ですから、毎年1%弱の水準を勝手に日銀が買ってくれます。

その結果、上場企業の4割で大株主(上位10位以内の株主)が日本銀行になっています。5社では筆頭株主になっているとか。

企業の4割、日銀が大株主、イオンなど5社、実質「筆頭」。
2018/06/27 日本経済新聞 朝刊 1ページ

日本株市場で日銀の存在感が一段と高まっている。上場投資信託(ETF)を通じた保有残高は時価25兆円に達し、3月末時点で上場企業の約4割で上位10位以内の「大株主」になったもよう。うち5社では実質的な筆頭株主だ。(略)
日銀のETF購入は2010年に始まり、13年就任の黒田東彦総裁による異次元緩和で急増。16年夏からは年6兆円を買い続けている。過去に購入した保有株の額は推計25兆円と、東証1部の時価総額約652兆円の4%弱に相当する。(略)
東京ドーム、サッポロホールディングス、ユニチカ、日本板硝子、イオンの5社では実質的な筆頭株主だ。
創業者などが多くの株式を保有し、もともと市場に流通する浮動株が少ない企業への影響は一段と大きくなる。
例えばユニクロを展開するファーストリテイリング。ETFに多く組み込まれており、日銀が1兆円ETFを買うごとにファストリ株を200億円買うことになる。今のペースで計算すると1年後に市場に流通する株がほぼ枯渇してしまう。(略)
本来の企業価値と無関係に買われる銘柄が増えれば、適正な価格を示す株式市場の機能への悪影響も無視できない。

株価が下がると日銀が買うので日経平均株価が高値を更新するのもうなずけます。将来的には日銀の保有株式の売却観測が株価の上値を抑える要因となるでしょう。放出したお金は日銀であろうと回収しなければならないのです。回収できないときは国家の政策破たんを意味します。
この政策をあと何年か続けるといくつかの上場企業は実質国有化ですね。

 

超低金利が支える世界の株高

米国(FRB)は段階的に利上げを行うことを示唆しています。欧州(ECB)も金融緩和を終了する事になりました。強力な金融緩和を続けるのは日本だけとなっています。ほかの先進国は今後金利がどんどん上がると思われます。米国の10年物国債は3%を超えることが普通になってきました。ここで始まったのが円を売ってドルやユーロなどで運用する円キャリートレードです。リーマンショックが起きる前も円キャリートレードが行われており、120円超の円安となっていました。その後起こった金融危機で円は70円台まで超円高になりました。当時と同じような現象が今起きています。今後の日銀の金融緩和が終わるとき、円キャリートレードも巻きなおしされ、円高となる事でしょう。今後も景気が拡大して、その中で金融正常化が出来ればよいのですが、できない場合政府はどのような対応を取るのでしょうか。取れる手段は限られており、混乱は必至です。

 

安倍政権は安泰か

総裁選を終え、結果としては安倍氏553票(69%)、石破氏254票(31%)で、安倍総理が三選を果たした。意外と頑張った石破氏という感想です。

今回の総裁選は国会議員票、地方票各405票の計810票を取り合った。

2018年 自民党総裁選の結果

  • 国会議員票=安倍・329票(81%)、石破・73票(18%)、無効票3票(1%) 計405票
  • 地方票=安倍・224票(55%)、石破・181票(45%) 計405票

安倍総理に近い国会議員の票は圧倒的に安倍総理に、国民感覚に近いと思われる地方票は石破氏にも約半数流れました。圧倒的に安倍総理が有利といわれる状況での結果なので石破氏善戦とみています。

投資家からするとアベノミクスで株価をここまで引き上げたことは功績として認めている方が大半でしょう。しかし、出口の見えない金融政策には感心しません。日銀の黒田総裁は約60年ぶりに異例の5年超の任期を務めています。安倍氏のYES MAN!である73歳の老人に今後の日本を預けるのはいささか不安が付きまといます。いつか日本発の危機が起きないか心配です。
総裁選に勝利したため当面は現状維持の金融政策が実施されると思いますが、今後の経済運営はこれまで以上に複雑な問題を抱えており、安倍政権は安泰とは言えないでしょう。

 

年内の見通し

日経平均株価

20,000円~25,000円。諸外国や特に日本の金融緩和の修正が無い限り安定して推移すると思われます。

 

不動産価格

Jリートの利回りは現状がほぼピークと思われます。
中古マンションは売り出し価格のみ上昇し成約価格は下落、新築マンションは売り出し価格と成約価格は現状の水準と変わらずとも実質値引きが始まると予想。都心の収益不動産の価格は今がアッパーとなると予想。

 

ドル円

108円~115円。123円を超えたら金融危機への注意が必要。

 

金利(10年物日本国債)

-0.05%~0.2%。0.2%を超えたら注意。

 

 

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