銀行窓口で高額振込・入金・出金をする時の注意点~銀行の現場でのマネロン対策の実際

経営と金融
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こんにちは、くろたろうです。
昔は銀行窓口に行けば通帳と印鑑があれば送金でも入金でも出金でも自由にできました。出金の場合はあまりに高額だと銀行の支店にある現金が無くなってしまうので断られることもありましたが、事前に知らせておけば対応をしてくれたものです。入金については大口であればあるほどVIP客扱いをされていました。

最近はマネーロンダリング対策の関係でその様子が変わっています。急ぎの振り込みをしたくても受けてもらえないなどのトラブルにもなりかねないので、最近の銀行窓口業務について簡単にまとめてみます。

自分のお金を自由に出し入れできない~マネーロンダリングとは?

まず、自由に出し入れできない背景を知るために、日本の金融機関の状況を知っておきましょう。現在、日本全国の金融機関(メガバンク、地銀・信金・信組、ネット銀行などすべて)がマネロン対策を世界水準に持っていくためにお金の出どころや行き先を厳格に調査したうえで高額の振込・入金・出金を行っています。
そうしないと世界との国際金融ネットワーク(SWIFT)から排除されてしまい、日本国の経済にも大打撃となってしまうからです。近年ではロシアがウクライナ侵略をした際にSWIFTから排除されて大変なことになっていますよね。

マネーロンダリングとは

犯罪や脱税など不当な取引で得た資金を、きれいなお金にみせかけることをマネーロンダリング(略してマネロン)といいます。資金洗浄とも呼ばれます。
犯罪等で得たお金を多数の金融機関等を転々とさせて資金の出所をわからなくしたり、テロや犯罪の実行支援のためにテロリストや犯罪集団に資金を渡す行為のことです。

日本のマネーロンダリング対策の国際的な評価

日本は世界の中でどれくらいマネロン対策への評価が高いと思いますか?
世界3位の経済大国で、さぞ評価も高いだろうなと思うところですが、、、残念ながらその評価は最底辺といえるレベルなのです。

マネロン対策で日本は合格点を得られず
野村総合研究所 コラムより以下引用(以下の引用すべて同記事より引用)


FATF報告書で日本は名誉挽回できなかった

20年前の米同時多発テロ事件をきっかけに、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与に対する国際的な監視や対策が強化されてきた。そうした中、日本は国際機関からまだ合格点を得られていない

各国・地域の資金洗浄対策を調べている国際機関の「FATF(金融活動作業部会)」は、日本に関する審査報告書を8月末に公表した。2008年の前回審査で日本は、先進7か国中で最低の評価を受け ~中略~ 日本を名指しで批判した。日本は「マネロンに甘い国」との烙印を押されてしまったのである。今回の審査は名誉挽回のチャンスであったが、実際はそうはならなかった。
FATFによる日本の評価は、~中略~ 多くの分野で改善が必要とされるレベルで、米国や中国、スイスなどと同じである。~中略~ 実際には、最下位の「観察対象国」となる可能性もあったが、日本側からの事前の強い働きかけによって何とかそれを免れた、との指摘もある。
~中略~

実は日本の評価は米国やスイスと同じくらいとされているので結果は悪くないのでは?と思うと思います。残念ながら日本の評価項目などをよく見ると北朝鮮やイラクよりはいいですね、というレベルの評価なんです。絶望的なレベルです。評価のレンジが3段階しかないなので、同じに見えるだけなのです。学校のテストに例えると、赤点レンジにいるのが日本や米国、スイス(3段階中2番目の評価の国)です。赤点でも45点の人と10点の人ではレベルが違うと思うのですが、日本は10点のほうなのです。

「マネロンに甘い国」って、結局テロリストや犯罪行為に甘い国なんですよね。そんな国と取引したら、自国に犯罪マネーが入ってきてしまうので敬遠しますよ、普通は。
日本はまだ国際的にパワーがあるから、強力に働きかけることで見逃してもらった、というのが実際のところのようです。学校に例えると先生に頼み込んで何とか単位を貰った感じでしょうか。

銀行口座開設が比較的容易な日本では、口座数は約8億ある、と言われている。しかし、遊休口座を含めて個人が十分に管理できていない口座が、マネロンなど犯罪に使われやすい。出国する外国人が犯罪組織に銀行口座を売却するケースも少なくない。さらに、インターネットバンキングが広がり、口座開設時に窓口での本人確認がされないケースが増えてきている。それは、犯罪に利用されるリスクが高まることになる。ここでも、マネロン対策は顧客の利便性と矛盾する面がある。~以下略~

銀行口座なんて実際は2,3口座あれば十分ですよね。8億口座となると国民一人当たり平均で7口座くらい持ってる計算になります。まあ、口座を作りまくった銀行も悪いと思いますけどね。
最近の銀行は不要な口座は作成しない方向になっています。昔は口座を作りたいと行くと喜んで受けてもらえたものですが、今は「口座が必要な理由は何ですか?」と聞かれます。時代は変わったのです。

どういう場合に振り込めない場合があるの?

  • 銀行によって違いますが、数百万円から1千万円程度を超す振込・入金・出金の取引で資料を要求されることが多いようです。
  • 何年もずっと口座に入っていたお金や、給料が入って溜まったお金を引き出す時などは、出どころが犯罪収益である可能性が低いので、振込先の資料だけ求められることがあるようです。(請求書など)

どうすればお金の振込や入出金ができるの?

  • 資金の出どころと行き先を説明できる資料を持って行ってください。
  • 長く口座を使っていない場合は本人確認資料(個人は免許証やマイナンバーカード、法人は6か月以内の履歴事項全部証明書(法人謄本)と代表者&窓口に行く人の本人確認資料)を持って行ってください。

資金の出どころ資料

以下のようなものが考えられます。この中から必要そうなものを持っていきましょう。今日振り込みのあったものを短期間で振込する場合などは特に必要になります。
理由はマネロンは短時間でたくさんの口座を移動させるから怪しいと思われるのです。

  • 売上先への請求書
  • 取引先との請負契約書や支払いについての契約書
  • 借りたものの場合はお金の貸し借りの契約書
  • 決算書や確定申告書

資金の行き先の資料

数百万から1千万円を程度を超す振り込みなどは求められる場合が多いです。

  • 仕入れ先などからの請求書
  • 取引先との請負契約書や支払いについての契約書
  • 貸す場合はお金の貸し借りの契約書
  • 決算書や確定申告書

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まとめ

昔は銀行に現金を1,000万円くらい持って行って、「定期預金を作りたい」というと銀行のエライ人が出てきてお礼を言われる(メガバンクを除く)、ということもありました。しかし、現在は「これは何のお金でしょうか?」という話が一番最初に聞かれると思います。

たいていの人は善良な人だと思いますし、銀行的にも喜んで受けたいのが本音だと思いますが、今は昔のようにただただ機械的にお金を受け入れてしまうとマネロン的にアウトになってしまいます。
「なんで自分のお金を自由に引き出せないんだ??」という意見もありますし、その通りだと思います。現場の行員も苦しい思いで仕事をしているのが実際のところです。銀行員の負担もかなり大きいです。
ただ、こんな資料を出す、出さないという話が世界的な犯罪対策と結びついているんだなあということを知っていると、なんとなく納得もできるのかなと思います。

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