私は8月初旬頃から宅建士試験の勉強を始め、10月試験で50点満点中45点(90%)の得点で合格することが出来ました。その期間は2.5ヶ月弱。短期合格を果たした勉強方法や教材を紹介し、これから勉強を始める受験生の短期合格の一助になれたらと思い記事にしました。
使用したテキスト・問題集
教材は市販のテキスト・問題集とスマホの無料アプリ、直前の統計対策でYoutubeを使いました。宅建士試験は教材が充実しているので色々なものに手を出したくなりますが、それは不合格への道だと思います。購入する教材はテキスト、問題集、模擬試験の3点だけで十分です。
テキスト
TACの黒いテキストを使いました。4分冊に分割できるので、持ち運びしやすいです。内容も必要十分に押さえてあり、試験に必要な知識はこれ一冊で十分でした。足りないところは問題集や模試で補充すれば十分です。巻末に50問分の基礎問題集がついているのもGOODです。
問題集
問題集は民法や宅建業法などの科目別に重要問題がピックアップされているTACの問題集を使いました。テキストと同じシリーズなので、一貫性があって使いやすかったです。この問題集も4冊に分解して持ち運びができます。
1科目当たりの問題数は70~100問程度で、論点の重要度別(★~★★★)に試験範囲が網羅されています。掲載されている問題も過去問をベースにしているので、難易度的にも適度なものになっています。
宅建試験の問題集では10年分の厚い過去問題集などが売られています。個人的にはこのような問題集は不要と考えます。宅建は試験範囲は広いので、厳選された重要過去問題を繰り返し解くことでポイントを抑えることを優先すべきです。余裕がある人のみ過去問題集をやることをお勧めします。
模擬試験
宅建試験にも出題傾向があり、模擬試験はその傾向を取り入れて作成されているので、模試を解くことは重要です。難易度は少し高めで、論点も基本以外の部分が出題されるので、直前対策にぴったりです。
スマホのアプリ
宅建のアプリを使用しました。
択一と1問1答が選べるのですが、通勤などの隙間時間に1問1答のみ解きました。択一は上記の肢別問題集をやれば十分です。
宅建業法⇒法令上の制限⇒その他⇒民法の順で優先順位を付けてやりました。(宅建試験は民法ではなく、宅建業法や法令上の制限に時間をかけたほうが点数が伸びます)
問題数が多いので、完璧にやる必要はないです。
Andoroid、iOSのどちらでもアプリが出ているようです。
Youtubeの宅建講師
宅建試験は統計の問題が毎年1問だけ出題されます。統計は毎年数値が変わるので、過去問を解いても意味がありません。ただ、狙われる統計も決まっているので、試験の直前になるとYoutubeで複数の宅建講師が無料で対策動画をアップしています。10分くらいの動画を見て、試験直前10分くらいで覚えてしまえば、それだけで1点取れます。
私は宮崎先生の動画を見ました。最新試験年度の動画を視聴しましょう。(9月下旬~10月初旬の視聴で十分間に合います)
合格までのスケジュール
8月初旬から2~3週間でテキストを1巡する
まずはテキストを通読します。暗記物は「そういうものがあるんだなぁ」程度にとどめておいて、理解することに重点を置いて読み進めます。テキスト通読と並行して一問一答アプリを隙間時間で解くと暗記が効率的に進みます。
8月後半~9月中は分野別過去問題集を2回転する
テキストが終わったら、問題集を解きます。間違えた問題は解説をよく読み、全然理解できない場合はテキストに戻って理解と暗記を進めていきます。一回目は全然解けなかったり、時間がかかってしまうと思います。それは普通のことなので、気を落とさずに粘り強く「解く」⇒「間違える」⇒「復習する」のプロセスを繰り返します。2回目に解く時は力が上がったことを実感できるはずです。
問題を解いた際は自信を持って正解出来たら「〇」、なんとなく正解の場合は「△」、間違えた場合は「×」と問題を解いた都度印をつけておきましょう。あとから復習するときに効率的に復習が出来ます。
10月~試験直前は模擬試験と弱点を復習する
直前期は問題集で間違えたものの復習とテキストの暗記物の確認を行います。これにより、基本事項の知識定着と弱点補強をします。この時期には自分の苦手分野がわかっているはずです。
この時期に模擬試験を解き始めます。解く際は本試験と同じ条件で2時間の時間で解くようにしましょう。そうすることで時間配分や2時間継続して解く集中力が付きます。模擬試験で間違えた問題はきちんと解けるまで復習をしましょう。
各科目の目標点数
宅建試験は合格基準点が年々上昇傾向にあり、50問中38問は正答しないと安心できなくなってきました。目標は40点を目指しましょう。
(目標点数)
- 民法14問中8問
- 宅建業法20問中19問
- 法令上の制限8問中6問
- その他8問中7問
- 以上合計50問中40点
民法は難しいので、基本問題を落とさないことを目標にしましょう。勉強をし始めるときりがないので深入りは禁物です。得点源にするには時間がかかります。
宅建業法は過去問とほぼ同じ問題が出るので、単純です。知ってるか、知らないかの問題が多いので、出来れば満点を目指しましょう。
法令上の制限とその他についても知ってるか、知らないかの問題が多いです。問題をしっかり解いて記憶を定着させれば得点源にする事が出来ます。
宅建試験の出題形式等が分からない方は以下の記事を参考にしていただけたらと思います。
↓この記事で試験の出題形式や難易度について書いています
試験結果と勉強時間
上記のように勉強を進めたことで、試験結果は合格、得点は50点中45点でした。総勉強時間は150時間弱。なお、合格最低点は38点と高い水準の回でした。
基本事項をしっかりと抑えていたことで、宅建業法やその他については満点でした。今や宅建業法でコケないことが合格の必須条件になっているように感じました。
過去問は解きすぎない方がよい?
ちなみに、私は分野別過去問以外の過去問題集は解いていません。理由は12年分など問題数が多すぎて、効率合格には適していない事、問題の重要度が分からないので総花的で的が絞れないことなどが理由です。また、過去問ベースでテキストや練習問題は作ってあるので、点数が取れて当たり前であり、実力を測れないと思いました。過去問では合格点に行けるのに、本試験では不合格となる人の原因はこれだと思います。短期合格のためには「試験に出る問題」を繰り返し解くことが重要です。過去問は極めて重要ですが、宅建試験の短期合格には不要と思います。
資格試験の世界では、「過去問をたくさん解いたほうが良い」説が有力で、それが効果的なのも知っています。否定もしません。しかし、分野別問題集や模擬試験も過去問ベースで作られているので、宅建試験で短期合格をする事を目的にする場合においては改めて過去問演習を何年分もやる必要性は無いと思います。「やった方がいいこと」はたくさんあります。短期合格に必要なのは「やるべきこと」をコンパクトにストイックに実践することだと思います。
コメント