給与が振込されているのに給与振込にならない?なぜあなたの給与振込は給与と判定されないか?

経営と金融
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給与振込が給与振込として判定されない!

最近、色々な銀行で給与振込が設定されるとお得な特典が得られることが増えていますよね。

例えば、以下のようなものが一例です。

・楽天銀行…給与振込口座に指定すると、翌月から他行宛の振込手数料が3回まで無料
・JREバンク…給与振込口座に指定すると、新幹線やグリーン車の優待特典がパワーアップ
・スルガ銀行ANA支店…給料をANA支店で受け取るだけで、毎月50マイルをプレゼント

かなりお得な特典が受けられるとあって、少し面倒だけど会社に給与振込口座の変更をしてもらった方もいるのではないでしょうか?

でも会社にお願いして給与を振込んでもらったのに、給与振込として認識されていない!なんてケースが発生しているようです。特典ももらえないので大惨事ですよね。

なぜこのような事態が起こるのでしょうか?

給与振込が給与振込として判定されない本質的な原因

これには銀行間の「電文」という仕組みが影響しています。

専門的な話は複雑なので割愛し、簡単に解説すると以下の通りです。

  1. 銀行間の振込は全て電文というものを使って「A銀行(仕向銀行)→B銀行(被仕向銀行)」に振込されています。
  2. 電文には種類(種目)があって、「振込」と「給与振込」とがあります
  3. 「振込」の場合は単なる代金などの振込として扱われ、「給与振込」の場合は給与として認識されます。
  4. 勤務先が単なる「振込」の電文で送金していた場合は「給与」とは認識されない

大抵の原因はこの電文の種類が違うために発生します。

原因別の対応策

特典を提供している銀行によって「給与振込」として認識される条件が異なります。まずは自身の利用している銀行の給与振込の条件を確認しましょう。

代表的な銀行の例を交えて、以下見ていきましょう。

対応策は大きく分けて以下の3つです。

振込された時の明細に「キュウヨ」と書いてあればいい場合

この場合は銀行の預金取引明細に会社名で振込まれていませんか?

会社側が振込手続きをする際に、特に摘要を指定をしない場合は会社名(例:トウキョウショウジ)といった感じで会社名で振込みされます。

従って、会社が給与振込をする際に摘要を「キュウヨ」と変更してもらうことで給与振込として認識されることになります。

銀行の例

PayPay銀行→普通預金取引明細に「給与・キユウヨ・キュウヨ・給料・キユウリヨウ・キュウリョウ・キウヨ」のいずれかが含まれる入金が対象です。

沖縄銀行→給与振込のポイント反映は、「給与振込」もしくは「キュウヨ□(ワンスペース)会社名」として発信された振込を、当行預金口座にて受取られていることが条件となります。

毎月一定金額以上が振込されれば良い場合

珍しいですが、三井住友銀行は3万円以上振込が毎月されれば給与振り込み特典が得られます。給与振込の電文で振込されている場合は3万円に満たなくてもOKなようです。

従って、給与の電文でない場合は振込金額をクリアする(給与を3万円以上になるように働く)というのが解決策となります。

他にこのような条件の銀行を知っている方がいたら是非コメントで教えてください。

銀行の例

三井住友銀行(Olive)→毎月3万円以上を振込で受け取る。他行の自分の口座や、家族からの振込でも対象になります。

給与の電文として振込されなければいけない場合

給与振込の電文で振込されているかの確認方法として、預金取引明細に「給与」と漢字で記載されているかどうかで判別できます。漢字でない場合は給与振込の電文ではありません

給与振込の電文で振込をするには会社側のインターネットバンキングの契約を見直ししないといけません。会社が給与振込の電文で送金をするには追加のオプションの契約(特別な契約)が必要となる場合がほとんどです。

実際、私が銀行の現場にいた時は社長や経理担当から「従業員から給与振込の電文で振込して欲しいと言われたのですが、どうすれば給与振込として振込ができますか?」という質問はたまに来ていました。

すでにオプションの追加契約はしているけれど、経理担当がその使い方を良く分かっていなくて振込の電文で送金しているケースもあったので、確認をしてみると良いと思います。

仮に契約をしていない場合は、会社側に追加の契約をしてもらわないと解決できない問題です。

銀行の例

楽天銀行→振込元が「給与振込」電文以外での振込種目で振込された場合、本プログラムの対象外となります。

auじぶん銀行→取引明細に「給与」「賞与」で始まる明細のみが対象です。お勤め先の給与・賞与が一般的な振込ではなく、「給与(賞与)振込」の電文で振り込まれているかは、お勤め先のご担当者さまへご確認ください。

スルガ銀行ANA支店→マイルプレゼントの対象は、当社が「給与」と認識できる10万円以上の入金に限らせていただきます。「給与振込」の認識は、銀行間での取り決めによる資金振込時の入金方法(「通常の振込扱い」と「給与扱い」など)の判別で行われます。

他にも、SBI新生銀行、東京スター銀行、住信SBIネット銀行あおぞら銀行みずほ銀行なども同じような扱いとなっています。多くの銀行が「給与振込」の電文を条件としています。

会社の言い分

ここまで見てきましたが、給与振込できる契約にして振込めばいいじゃん!

と思いますよね?

会社側もそうしない(できない)理由があります。会社側の言い分にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

「給与振込」にするための追加の契約が結構高い

大抵の会社はインターネットバンキングで振込や給与振込をしていますが、個人と違って法人はインターネットバンキングの利用に月額利用料を支払っています。

三井住友銀行のインターネットバンキングの利用料は以下の通りです。(2024年5月4日現在)

小規模な企業だと0円~プランを使えますが、給与振込をしようと思うと月額料金5,500円のプランに変更しないといけません。月額料金は三井住友銀行に限らずどこの銀行でもかかっており、月額3,000円から10,000円くらいかかるケースがほとんどです。

小規模な会社の場合は結構痛い負担になってしまうのです。

まとめ

  • 給与として認識される条件を確認しましょう
  • 条件に応じて対応を取りましょう
  • 会社側が対応できないとしても、会社なりの事情があることは理解してあげましょう

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