株取引の基本とルール 投資入門 株取引編

投資入門
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ここでは株取引をする上で知っておきたい基本知識とルールを解説します。

株取引の基本 証券取引所に上場している株を買える

証券取引所

ニュースで「東京証券取引所の今日の値動きは…」なんてセリフを聞いたことがあるかもしれません。
証券取引所というのは株の売買をするところで、日本には4か所の取引所があります。

日本の証券取引所

  • 東京証券取引所 (東証)
  • 名古屋証券取引所(名証)
  • 福岡証券取引所 (福証)
  • 札幌証券取引所 (札証)

(※2013年に大阪証券取引所(大証)は東京証券取引所に統合されました)

日本で圧倒的一番が東証で、取引規模は99%を越します。取引所が扱っている株(上場株式)の取引ができ、取引できる会社のことを上場企業といいます。
どんな会社でも上場できるわけではなく、とても厳しい基準と審査があります。そういう意味では上場しているということは社会的信用は一定以上ある会社といえます(ただし上場企業=優良企業では必ずしも無い)。
東証一部に上場したある企業の財務担当役員の方とお話した時は、上場審査はかなり苦労したとおっしゃっていました。会社の内容だけでなく、会社の財務状況やコーポレートガバナンス(企業統治)、コンプライアンス(法令順守)だけでなく、取締役の経歴などの個人的なことも厳しく調査をされるのだそうです。
2018年7月末現在、東京証券取引所(東証)に上場している企業数は3634社です。

非上場の大手企業の例

大手企業でも上場していない企業はたくさんあります。

  • サントリーホールディングス
    お酒や清涼飲料水の大手メーカー
  • コスモエネルギーホールディングス
    ガソリンスタンドのコスモ石油など
  • 森ビル
    六本木ヒルズや表参道ヒルズなどが有名な不動産デベロッパー
  • JTB
    国内トップクラスの旅行会社
  • JCB
    世界展開しているクレジットカードブランド
  • 竹中工務店
    売上高1兆円を超す大手ゼネコン(建設会社)
  • 日本経済新聞社
    経済関係に強い新聞社
  • 小学館
    有名な出版会社

上場すると公(おおやけ)の企業になり、株主を選ぶことができません。
株主の発言力が強まり思うような経営ができなくなったり、株を買い集められて経営権を奪われたりするリスクがあります。上場するメリットとデメリットを天秤にかけて上場をしない選択をする企業もあるということですね。

証券取引所の中に複数の市場がある

各取引所の中には以下のように複数の市場があります。
市場によって上場するための基準や審査が異なります。
プライムや第一部(本則市場)が厳しい基準を課す一方、新興市場は上場審査基準が緩いです。赤字企業でも上場できる市場もあり、資金調達で企業の成長を支える一方、不安定な面もあります。

取引所名 市場名 市場区分 備考
東京証券取引所(東証) プライム 一般市場
スタンダード 一般市場
グロース 新興市場
TOKYO PRO Market 新興市場 個人の取引不可
名古屋証券取引所(名証) 第一部 一般市場
第二部 一般市場
セントレックス 新興市場
福岡証券取引所(福証) 本則市場 一般市場
Q-Board 新興市場
札幌証券取引所(札証) 本則市場 一般市場
アンビシャス 新興市場

新興市場の企業の例

2024年3月24日現在。

  • スカイマーク
  • ウェルスナビ
  • ブシロード
  • 弁護士ドットコム
  • ispace

証券取引所と証券会社

株は証券取引所に出向いても買えないので、証券会社を通じて株を購入します。
証券会社は野村証券、大和証券などの有名どころからネット専業のSBI証券や楽天証券などたくさんあります。
証券会社では売買手数料や口座維持管理料などを取るところもあります。個人が取引をする場合は手数料が安価で余計な手数料のかからないネット証券がおすすめです。

株を買っても株券は来ない

昔は「株券」という証券が発行されていましたが、2009年1月から完全電子化がスタートし、紙の上場会社の株券は無効となりました。もし上場企業の株券を安くするから買わないかという話があったらそれはサギなので気を付けましょう。
電子化により煩雑な名義書換や移管などの手続きが簡素化・低コスト化されました。自身の持ち株を確認するには証券会社の取引画面や定期的に送られてくる取引報告書を見て確認をします。

証券保管振替機構(ほふり)

株券等の証券集中保管機関として株の電子化や株主情報の管理を担っているのが証券保管振替機構、通称「ほふり」です。ほふりは、投資家から預かる株式の名義を「ほふり」としています。その自己名義の株は台帳で管理されており、「三菱商事」の株券1000株は黒澤太郎という投資家のもの、という管理をしています。もし売却して名義が黒澤太郎からあなたに変わったら台帳の名義を書替えます。
株ををA証券からB証券に移管したいときも同様に台帳を変えれば完了します。

名義がほふりになっていても実質株主としての権利は証券保管振替機構ではなく投資家(あなた)が持ちます。株主総会への参加、配当や株主優待は当然に投資家(あなた)が保有することになります。

普段の株取引でほふりを意識することは無いと思いますが、裏ではこのような仕組みがあるのです。

株取引のルールと必要な知識

取引時間はいつ?

取引時間は9:00~15:00です。
取引時間は午前と午後に分かれています。

  • 午前⇒ 9:00~11:30。前場(ぜんば)と呼ぶ。
  • 午後⇒12:30~15:00。後場(ごば)と呼ぶ。
  • 取引が行われている時間を立会時間といいます。

今はインターネット取引が普及しているので注文は24時間出す事が出来ます。
PTS取引は夜も取引ができます。詳しくはこちら

取引日はいつ?

カレンダー通りの平日に取引ができます。
取引所は土日祝日、年末(12月31日)と年始3日間(1月1日~1月3日)は休場(休み)です。

取引単位はあるの?

株の売買には最低取引単位が定められており、100株が最低取引単位です。最低取引単位を単元といいます(最低100株の取引単位ならば、100株=1単元)。
※2018年10月に1単元100株に統一される以前は1単元1000株や1株の企業もありました。

購入に必要な資金の計算方法

必要資金=(購入株数×株価)+証券会社の定める売買手数料

トヨタ自動車の例

自動車業界の王様、トヨタ自動車はいくらひつようでしょうか。
トヨタ自動車は1単元=100株です。
株価は3,872円です。(2024年3月22日現在)

・3,872円×100株=387,200円がトヨタ自動車の最低取引金額です。

証券会社にはいろいろな条件で銘柄を探せる「スクリーニング」という機能を提供しています。
株価〇〇円以下とか配当利回り〇〇%以上など様々な条件で検索ができるので活用しましょう。

株の受渡し日数

株主名簿にあなたの名前が載り、株主となるまでの必要日数は3営業日です。
売買日(約定日)より受渡し(決済)まで、約定日当日を「含めて」3営業日の時間がかかります。
※営業日=平日(証券会社の営業日)。
以下の図を見てみましょう。

  • 1日に約定した時は3日に受け渡しとなります。
  • 9日に約定した時は14日に受け渡しとなります。

 

配当や優待はいつ買えばもらえるか?

権利確定日までに株主名簿に登録されていなければ配当も優待ももらえません。
権利確定日当日に株を購入しても権利は得られません。株主名簿に登録されるには約定日を含めて4営業日必要だからです。

権利付最終売買日

株主が株主の権利(配当金・株主優待など)を得ることができるギリギリ最後の取引日のことです。
権利を取得するには、企業が定める権利確定日に株主名簿にあなたの名前が載っている事が必要です。つまり、権利確定日から数えて3営業日前(権利付最終売買日)までに株式を購入しなければなりません。

下図を例にすると30日が権利確定日の時は、24日が権利付き最終売買日です。
祝日に注意して最終日を数えましょう。

権利落ち日

権利付最終売買日の翌営業日です。配当や優待を狙って株を購入した人が売却することで株価が下落する場合があります。
また、配当金が支払われると配当金を支払った分だけ1株当たりの価値が下がるため、株価が下がることがあります。
株取引においては権利付最終売買日や権利落ち日は意識しておいた方が無難です。

銘柄コードと略称

銘柄コードはナンバープレート

個別上場株=銘柄には異なる4桁の数字が割り振られており、これを銘柄コードといいます。
銘柄コードは業種ごとに番号が決められていますが、必ずしも会社の事業内容と一致しません。
会社の名前は似たような名前の会社もあるので混乱の無いようにつけています。
株価検索の時は名前を打たなくてもコードを打てば株価をすぐにチェックできます。

略称は少し紛らわしい

コードではわからないため新聞の株価一覧などには略称が用いられています。
以下の例のように少々紛らわしいものがあるので気を付けましょう。

略称の例

  • ハウス=大和ハウス
  • ハウス食G=ハウス食品グループ

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