こんにちは、くろたろうです。
第四回の今日は個人が銀行を便利さと身近さを実現するための銀行取引について考えてみます。
銀行シリーズ
第一回:あなたの取引銀行大丈夫? 経済が好調な今だからリスクを考える
第二回:銀行の健全性をまとめてみた 金融機関の安全性はどこを見ればいいの?
第三回:都銀、地銀、信金は何が違うの? 金融機関の種類と存在意義
第四回:個人の取引銀行選び 複数行取引で便利さと身近さを確保しよう
第五回:個人のATMと振込を無料にする 銀行の特典をフル活用しよう
第六回:経営者の取引銀行選び 取引銀行に求めるのは金利で良いのですか?
番外編:銀行員を手なずける方法 担当者と仲良くすると良い事もある
個人の銀行選びで重視したい4つの事
個人の銀行選びでは以下の4つの点を重視しながら選びましょう。
- ATM手数料が無料なこと!!
ATMの利用手数料は110円~220円かかります。使うのが月数回だとしても馬鹿になりません。無料で使えるところを選びましょう。
- 振込手数料が無料なこと!!
振込手数料は最大880円/回かかります。高いです。家賃など決まった振込がある人は定額自動送金が無料のところを使いましょう。
- 普通預金の金利が高いこと!!
通常の普通預金金利は0.001%です。低いです。預金をきちんと選ぶだけで0.1%(100倍)以上になります。
- 口座振替などで不便を感じないこと!!
ネットバンクや新興銀行は口座振替設定出来ない場合があります。
口座を利用目的で分けよう!
口座を利用目的に応じて分けることで便利さとお得さ、そして身近さを確保することができます。
私は3つに分ける事をおすすめします。
- 生活費決済口座
- 資金プール口座
- 投資用口座
生活費決済口座 ~地元の地銀・信金をお勧めします~
電気代、水道代、クレジットカード、税金などの支払用の口座です。支払口座を一つにまとめることで一か月でいくら使ったのかをお手軽に把握することができます。(生活費決済口座=メイン口座)
生活費決済口座には数か月~1年分の生活資金を入れておく事で使いすぎたとしても絶対に振替漏れが起きないようにしておきましょう。
生活費の口座を選ぶポイント
- 通帳がある事
支払いを把握するには通帳があったほうが何かと便利です。特に大地震や大型台風などの大規模災害が起きた場合は通帳があれば引き出しができたり、財産の証明が出来る場合があります。重要なメイン口座はアナログも持ちあわせている地銀・信金をお勧めします。特に非常時にはメガバンクは個人客を相手にしない恐れがあるので、地元に密着している地銀・信金をお勧めします。 - ネットバンク以外を選ぶ
ネットバンクは通帳がありません。また、口座振替を設定する際にネットバンクは振替登録できない場合があるので、生活費決済のメイン口座で使うと不便を感じることがあります。また、災害時は実店舗がなく、電話・問い合わせ等も繋がらないと考えられます。従って、メインとするのはお勧めしません。 - 住宅ローンを借りるかもしれない銀行 or 近くにある地銀・信金を選ぼう
生活費を決済することは信用を作る事にもなります。従って、住宅ローンを借りる時は有利になる場合があります。また、身近さや親近感を重視する方は近くの地銀・信金を使うことで取引の度合いによっては融通を図ってくれるかもしれません。
例として、知り合いが地元の信金と取引をしているのですが、融資返済日に他の口座振替が重なってしまいました。先にお金をきちんと他行の口座から移しておけばよかったのですが、仕事の納期に追われて忘れてしまいました。遅れると取引に影響が出るような重要な口座振替だったのですが、普通は融資返済が先に行われるので振替が落ちません。青ざめた知り合いは信金の営業時間がとっくに終わった夜に信金に行きました。幸い残業していた職員とエライ人がおり、事情を話して融資返済が先に行われないように一旦止めてもらえました。普通はあり得ない神対応です(もしこれで延滞して返済が滞ったら重大な責任問題になります)。その対応のおかげで無事、口座振替は行われたという事例がありました。普通は融資返済を一時的にでも止めるという事は問題が起きたら責任問題になるのでやりません。地元の信金だから対応してもらえた好事例といえるでしょう。
ほかにも、リフォーム、車、教育などのローンが必要になるときもあるかもしれません。そんな時も親身に相談に乗ってくれる可能性が高いです。 - 各種フィンテックに対応している事
マネーフォワードなどの家計簿アプリを利用している場合は対応しているかどうかを確認しましょう。
資金プール口座 ~ネットバンクをお勧めします~
余裕資金をためておく口座です。この口座から、必要な時に生活費決済口座や投資用口座に振込ます。個人のお金の管理の司令塔となる口座です。資金をプールする口座なので、金利の良い口座を利用しましょう。また、ATM手数料や振込手数料がゼロ円にできる方が良いです。これらを実現できるのはネットバンクです。
資金プール口座から生活費決済口座に定額自動送金を設定し、一か月の予算分を自動振込するようにします。それにより、生活費決済口座の残高を見れば使いすぎなどを把握できます。また、すでに依頼を受けている定額自動送金は災害時でも全力で実行します(できなかったらみずほ銀行のように処分を受ける可能性がある)。従って、災害時でも生活費が止まる心配は低いです。
資金プール口座を選ぶポイント
- 振込手数料が無料
- 定額自動送金手数料が無料
- ATM手数料が無料
- 普通預金金利が高い
これらを満たす銀行は、現状ではあおぞら銀行(BANK支店)、UI銀行、イオン銀行、楽天銀行あたりです。
投資用口座
証券会社やFX会社とのつなぎ役の口座です。投資をする際は「いくら投資に回すのか」を明確に分けることをお勧めします。生活費とごちゃごちゃにしてしまうと損切り出来ずにひたすら追証を入れ続けるという事にもなりかねません。また証券会社への即時入金サービスを利用できるメガバンクやネット銀行を選びましょう。
きちんと自己管理できる方で、分ける必要が感じられなければ資金プール口座と一緒にしても良いでしょう。
まとめ:おすすめフォーメーション
口座の種類に応じた金融機関を一覧にしました。
ここでは資金プール口座でおススメのイオン銀行、楽天銀行、あおぞら銀行(BANK支店)を紹介します。
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口座種類 | お勧め銀行 |
---|---|
生活費決済口座 | 地元の地方銀行・信用金庫 |
資金プール口座 | あおぞら銀行(BANK支店) イオン銀行、楽天銀行、UI銀行 |
投資用口座 | 三井住友銀行、みずほ銀行、三菱UFJ銀行 住信SBIネット銀行、楽天銀行、りそな銀行 ゆうちょ銀行、セブン銀行、イオン銀行など |
イオン銀行
ネットバンクに近いと思いきや、イオンに実店舗もあります。実店舗がないと不安な人にもお勧めできる銀行です。ゴールドステージ以上が満たせる場合はお勧めします。満たせない場合は楽天銀行が良いでしょう。
イオン銀行のポイント
- 定額自動送金が無料
- ステージに応じて振込手数料が無料(月0~5回)
- ステージに応じてATM手数料が無料(月1~5回)
- 普通預金金利が最大0.10%
イオン銀行ではマイステージというランク制度を採用しています。
取引に応じて優遇される仕組みです。
- 普通預金金利は最大で0.10%なのですが、条件は厳しいです。0.03%であれば簡単に満たせるであろう条件です。
- ATMはセブン銀行が対象外であることに注意が必要です。
詳しくは以下のページをご覧ください。
楽天銀行
楽天証券と連携している楽天銀行も便利な講座です。
楽天銀行のポイント
- 定額自動送金が無料
- ステージに応じて振込手数料が無料(月0~3回)
- ステージに応じてATM手数料が無料(月0~7回)
- 普通預金金利が最大0.10%
- 楽天ポイントが最大3倍
楽天銀行ではハッピープログラムというランク制度を採用しています。
イオン銀行同様、取引に応じて優遇される仕組みです。
楽天銀行「ハッピープログラム」より。
楽天銀行のメリットより。
- 楽天証券の口座と楽天銀行の口座を連携させるサービス(マネーブリッジ)を利用することで金利が0.10%になります。
- マネーブリッジは株の買付代金などを自動的に楽天銀行の口座から振り替える便利なサービスです。
あおぞら銀行(BANK支店)
あおぞら銀行のネット専用支店です。明確にネットと実店舗は区別されていて、実店舗での手続きはできないそうです。注意点は、モアタイムの即時振込(平日9:00~15:00以外の時間の振り込み)に対応していません。
あおぞら銀行BANK支店のポイント
- 特に条件なしで普通預金金利0.20%と高金利
- 特に条件なしでゆうちょ銀行ATMでの入出金が無料
- 一部条件を満たすと最大3回まで振込手数料が無料
詳しくは以下をご覧ください。
最後に
各金融機関の良いところにスポットを当ててメリットを最大限に引き出しましょう。
私自身、フォーメーションを組んでいます。プール口座は楽天銀行とイオン銀行の両方を利用しています。
使い勝手を確かめながら自分にあった銀行を探すと良いと思います。
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