株の取引画面から学ぶ基礎知識 投資入門 株取引編

投資入門
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ここまで株取引を始めるまでに必要なことをまとめてきました。
ここからは株取引を実際に始めてから疑問に思うであろうことや知っておきたい用語等を解説します。

取引画面から学ぶ基礎知識

SBI証券の取引画面をもとに各箇所の用語などを解説します。
どこの証券会社も似たような情報が掲載されているので、SBI証券を使う予定ではない人でも役に立つと思います。用語はどこの証券会社でも共通です。

銘柄と銘柄コード

企業名(銘柄)と銘柄コード(4桁の数字)です。
詳しく知りたい方は過去記事のこちらを見てください。

採用指数

その企業の株が組み込まれている代表的な指数が表示されています。指数は国内だと日経平均株価(日経225)やTOPIX、TOPIX Core30(Core30)、JPX日経インデックス400(JPX400)などその種類は多数あります。
株価指数に採用されている企業の株価が上下することで指数にもそれが反映されます。トヨタ自動車は例示した4つの指数すべてに採用されていますが、取引画面では代表的な指数だけが表示されているようです。

指数に採用される銘柄は定期的に見直しがされており、企業業績が悪化したりすると指数から外れることがあります。
最近では東芝が日経平均株価(日経225)、日経株価指数300(日経300)、日経500種平均株価(日経500)、日経中国関連株50から外されました。
東芝に代わって日経225はセイコーエプソンに、日経300はネクソン、日経500は日本新薬、日経中国関連株50は日本ペイントホールディングスにそれぞれ入れ替えられました。

指数から外されると日経平均株価などの指数に連動する運用を目標としている投資信託(ファンド)は一斉に売りに出します。採用されると一斉に買います。指数に採用される、外される事は株価にも影響を及ぼします。

上場市場とPTS

どこの証券取引所で取引されるかを示します。
トヨタ自動車は東証一部のほか名証一部にも上場しています。どこの市場で優先的に買い付けるかを示しています。

PTSとは?

私設取引市場と呼ばれます。証券取引所を通さずに証券会社の中で取引をするので取引所の営業時間外でも取引ができるメリットがあるので、帰宅後や決算発表後の夜間にも取引ができます。
便利ではあるのですが、取引量はまだまだ少ない印象を受けます。

PTS取引時間の例

  • SBI証券
    ナイトタイム:17:00~23:59
    デイタイム :  8:20~16:00
  • 松井証券
    ナイトタイム:17:30~23:59
    デイタイム :  8:20~15:30
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SOR注文とは?

株取引を始めたときにこの注文方法は目にすると思うので解説をしておきます。
株取引ができる市場はトヨタ自動車なら東証一部、名証一部、PTSと複数あります。
当然市場によって株価が違うときもあります。SOR注文とは各市場から最良価格がある市場を自動的に選び、売買を執行する注文のことです。この注文は特にこちらで指定しなくても自動的に適用されるはずです。

取引の種類と注文方法

 

取引の種類

株取引には信用取引と現物取引があります。

信用取引

現金や株式、投資信託を担保として証券会社に差し出すことで証券会社からお金を借入れ、手元資金の約3倍の取引ができます(レバレッジ※がかけられる)。また、株をもってなくても証券会社から借りてきた株を売ることで売りから取引を始めることができます(カラ売りといいます)。
費用は売買手数料のほかに金利、貸株料、名義書換料、信用管理料、品貸料などがかかります。
また、制度信用取引の場合は返済期限があります。

※レバレッジはテコの原理とも表される。テコのように少ない資金で多額の資金を動かすこと。

一般信用取引とは?

一般信用取引とは、投資家と証券会社の間で返済期限などを自由に設定できる信用取引です。従って無期限も可能です。金利は制度信用取引よりも高くなっています。

制度信用取引とは?

制度信用取引とは、取引できる銘柄、返済期限(6か月以内)などが、取引所により決定されている信用取引です。取引所が定める基準をクリアした銘柄のみ取引ができ、銘柄の信用は一定基準をクリアしていることから一般信用取引に比べて金利は1%前後安くなっています。

信用取引まとめ

  • 手元資金の数倍の取引ができる
  • 借りてきた株を売れる(カラ売り)
  • 費用は売買手数料以外にいろいろかかる
  • 信用取引の種類によっては返済期限がある

現物取引

自分が保有する資金の範囲で株を買い付けたり、自分が保有する株式を売却する取引のことです。
信用取引と違い、保有期間の制限や取引できる銘柄の制限もありません。
当たり前の売買方法といえます。従って、信用取引のように売りから取引を始める事は出来ません。

現物取引まとめ

  • 必要な手数料は売買手数料程度
  • 買いからしか取引ができない
  • 自分の資金の範囲内での取引
  • 保有期間の制限や銘柄の制限がない

注文方法の種類

詳しく知りたい方はこちらを参照ください。

成行注文

成行注文(なりゆき)は、注文時に値段を指定せずに注文します。
成行で買い注文をした場合はその時に一番安く売り注文していた市場の向こう側にいる誰かと売買が成立します。

指値注文

指値注文(さしね)とは値段を指定して注文を出す注文方法です。
成行注文と違い価格を指定するので、指定した価格より不利な価格で約定することは有りません。

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取引状況の概要

4本値

  • 始値(はじめね)
    その日一番最初に取引が成立した値段のこと。
  • 高値
    その日成立した最も高い値段のこと。
  • 安値
    その日成立した最も安い値段のこと。
  • 終値(おわりね)
    一番最後に成立した取引の値段のこと。

これら4つを総称して4本値(よんほんね)と呼びます。基本的な株価です。

出来高と売買代金

  • 出来高
    一日に売り手から買い手に渡った株数のこと。
  • 売買代金
    一日に成立したすべての取引の額を合計したもの。

これらを見ることで取引が活発かどうかが分かります。昨日まで出来高が少なかった株がいきなり何倍もの出来高となると何らかの動きがあったことが推測できます(良い事か悪い事かはわかりません)。出来高や売買代金の増減は株価のターニングポイントを表すかもしれない大事な指標です。

気配値

気配値(けはいね)とは、売り買いの希望値です。上図の板はそれをまとめて表示したものです。左が売り株数(売り気配値)、右が買い株数(買い気配値)、中央が株価です。売りと買いの値段が一致した時に売買が成立します。

また、特殊な気配は板に以下のような(買)や(売)などの表示がされます。

買い気配(買)

買い注文に対して、それに見合う売り注文がなく、売買が成立せずに値がつかない状態のこと。

売り気配(売)

ヤリ気配ともいいます。買い気配の逆。
売り注文に対して、それに見合う買い注文がなく、売買が成立せずに値がつかない状態のこと。

特別気配(特)

需給が売り買いのどちらか一方に偏った数量の注文がある場合、これを周知するために取引所は気配表示を出します。特別に周知を図る際の気配値段で(特)と表示されます。

その他の気配表示

寄前気配(前)

寄付き前(始値決定前)の注文状況を表す気配値で、寄前の気配には成行注文の分も含まれます。

ザラバ引け(*)

ザラ場引けとは、前場引けや後場引けに取引がなく、ザラ場(9:00~15:00の取引時間中)でついた株価のまま取引が終了すること。

ストップ高(H)

値幅制限の最大値。

ストップ安(L)

値幅制限の最小値。

終値(C)

最後についた値段です。

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チャート

チャートは過去の株価の値動きを表したものです。
単純に株価の推移を表すだけでなく、投資家心理が表れているといわれます。
チャートを分析して売買の判断を行うことをテクニカル分析といい、様々な分析手法があります。
その一方、市場の経済成長率や物価上昇率、貿易赤字額、企業の財務状況、株価の割安性などを分析して売買の判断を行うことをファンダメンタルズ分析といいます。
どちらの手法が優秀かではなく、どちらも分析したうえで売買することが勝率を上げることにつながります。

投資指標

投資指標はここに挙げられているもの以外にも腐るほどあります。
まずは代表的な指標をマスターしましょう。

PER(株価収益率)

PER=株価÷1株当たり利益(倍)で計算されます。

Price Earnings Ratioの略。ピーイーアールと読みます。株価が一株当たりの利益の何倍になっているかを測る指標です。
PERは収益に着目しており、高いほど割高で、低いほど割安です。
株価100円のA社と株価10,000円のB社はどちらが割安か判断するとき、A社がPER100倍、B社がPER10倍であるとすると、B社の株価の方が割安であると判断できます。
株価の低い高いだけでは割安かどうかは判断ができないということですね。

今回のトヨタの場合だと10.62倍なので、単純計算で今後10.62年間の一株利益の累計と株価がイコールになる計算です。
業種によって水準は違うのですが、一般的には10倍~20倍程度が通常といわれています。

PBR(株価純資産倍率)

PBR=株価÷1株あたり純資産(倍)で計算されます。

Price Book-value Ratioの略。ピービーアールと読みます。
PBRは純資産に着目しており、高いほど割高で低いほど割安と判断できます。
1倍だと株価と1株あたり純資産の釣り合いが取れているのですが、1倍を割ると仮に会社を解散させたら株価以上のものが返ってくることになります。

*1株当たり純資産1,000円-株価500円=500円←会社が解散したら戻ってくる額

以上、とても割安かどうかの基準が分かりやすい指標といえます。
この指標も業種によって数値が全然違います。IT企業や新興企業は高くなる傾向があり、銀行や成熟企業は低くなる傾向があります。

予想配当利回り

予想配当利回り=1株あたり配当金÷株価×100(%)で計算されます。

株価が変われば当然配当利回りは変化します。
注意点は「予想」配当なので絶対では無い事です。業績が目標通りいかなければ減配や無配※のリスクもあります。業績が目標に対してどうなっているのかを確認して判断をしましょう。

※減配・・・配当が減る事。
※無配・・・配当が無くなる事。
※増配・・・配当が増える事。

EPS(1株当たり利益)

EPS=当期純利益÷発行済株式総数(円)で計算されます。

Earnings Per Shareの略。会社が前期一年間で稼いだ1株当たりの利益を指します。

BPS(1株当たり純資産)

BPS=純資産÷発行済株式総数(円)で計算されます。

Book-value Per Shareの略。前年決算時点の1株当たりの純資産を指します。

予想一株配当

一株当たりの会社予想の配当金額です。
予想は上方修正や下方修正されることもあります。

銘柄の制限情報

VWAP

Volume Weighted Average Priceの略。その日の加重平均売買価格です。
要はその日の売買代金÷出来高です。

売買単位

最低取引単位です。この場合、100株以上100株単位での取引になります。

制限値幅

1日に制限される値動きの幅です。
今回のケースだと5,803円~7,803円の間でしかこの日は値動きしません。
ちなみに、値幅の最安値になることをストップ安、値幅の最高値になることをストップ高といいます。

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株価の節目情報(年初来~上場来)

  • 年初来高値・・・その年につけた最も高い株価のこと。
  • 年初来安値・・・その年につけた最も安い株価のこと。
  • 上場来高値・・・上場してからつけた最も高い株価のこと。
  • 上場来安値・・・上場してからつけた最も安い株価のこと。

年初来は1月~3月は期間が短いので昨年来高値、昨年来安値を使います。
4月以降は年初来高値、年初来安値に切り替えて使われます。
株式分割などで株価の連続性が途切れるなどのイレギュラーなことが起きた時は、それ以前の高値・安値はリセットされます。

信用取引情報

  • 信用売残・・・信用取引で売られた株の残高です。
  • 信用買残・・・信用取引で買われた株の残高です。
  • 貸借倍率・・・買残÷売残。買残が売残の何倍あるかを表します。
  • 前週比・・・・前週と比べた売り・買いの増減株数です。
  • 信用・・・・・信用銘柄は証券会社が証金※から株を調達できないためカラ売りができない。
  • 賃借・・・・・制度信用銘柄の内、証券会社が必要な株等を証金※から調達できる銘柄なのでカラ売りができる。

※証金・・・証券金融会社。証券会社に株等を貸出している。日本には日本証券金融と中部証券金融の2社がある。

信用残は信用買残が多いと値上がり期待が大きいと言えます。一方、信用売残が多いとその逆です。しかし、信用取引はいつかは返済しなければなりません。買残=将来売られる株数、売残=将来買われる株数とも見ることができ、将来の売・買いの圧力になる事があります。

 

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